2024年7月度 鑑賞会
梅雨も明けて蝉が鳴きはじめ、本格的に暑くなりました。
皆様はどのようにお過ごしでしょうか?
毎日暑い日が続きますが、熱中症にはくれぐれもお気を付けください。
日本美術刀剣保存協会大分支部は、中原先生を講師としてお招きし、刀剣鑑賞会を行いました。鑑賞会に使用した1-5号刀を中原先生の解説動画付きで紹介いたします。
鑑定刀
1号刀 脇差 [一つ葵紋]主馬首一平安代 (しゅめのかみ いちのひら やすよ)
刃長:1尺3寸 本造り脇差 薩摩新刀
鎬幅広い 鎬高い
大人しい直刃湾れ 互の目が入っていない
2号刀 脇差 表:備州長船盛光 裏:應永廿年十月日(応永20年10月日)
刃長:1尺5寸 平造り脇差 応永備前
棒映り有り 表裏に彫物あり
神社仏閣への奉納を意識して製作されたと思われる
3号刀 脇差 播磨大掾藤原忠國(初代)
刃長:1尺8寸 本造り脇差 肥前新刀
匂口が鎬に近い所は締まっていて刃に近づくにつれて広くなる
傍肥前
4号刀 刀 表:於東京羽澤源胤明謹作 裏:大正元年十月吉日 断行鬼神避以 人見秀三
刃長:2尺4寸 本造り 東京現代
匂出来 足が長く入る
求め打ち銘の入った現代刀 胤明は長物をあまり作らない
5号刀 刀 兼基
刃長:2尺2寸7分 本造り(利刀造り) 末関
映り有り 三本杉 匂口がふわっとしている
兼基の銘は現存が少なく極めて貴重 不出来は1本も無い
今回も素晴らしい名刀を拝見させていただきました。
中原先生、並びに各名刀の所有者の皆様、ありがとうございました。